アヴェルヌス湖(アヴェルヌスこ、Italian: Lago d'Averno, English: Lake Avernus)は、南イタリアのカンパニア地方、ポッツォリの北西約4kmの地点にある火口湖。フレグレイ平野という火山性平野の近くにあり、カンパニア火山弧の一部である。円に近い形をしており、周囲長約2km、水深約60m。 アヴェルヌス湖を冥府の入り口と考えていた古代ローマ人にとって重大な湖であった。その上を飛んだ鳥が瘴気に当てられて墜死したという俗信があり、ギリシャ語で「鳥がいない」という意味を持つ 'aornos' からとってこの名前がつけられた。ローマ時代の著述家たちは地底世界の暗喩としてアヴェルヌスという言葉を用いていることがよくある。ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』において、主人公アイネイアースはこの湖の近くにあった洞穴を抜けて地底世界に降り立った。 この湖が死をもたらすという風評が事実に即したものかどうかは判然としない。現在では鳥が死ぬようなことはないが、火山活動によって致死性のガスが発生していた可能性は否定できない。1986年に火山ガス災害を起こしたカメルーンのニ…