サマリア峡谷またはサマリア渓谷(Greek: Φαράγγι της Σαμαριάς)はギリシャのクレタ島にある峡谷(渓谷)で、同国の国立公園。 峡谷(渓谷)はクレタ島の南西に位置し、ハニア県の一部を占めている。レフカ・オリ山脈()とヴォラキアス山からの渓流を主な源流とし、アギア・ルメーリ村()付近でリビア海(地中海の一海域)に流れ込む。峡谷のトレッキングコースは、レフカ・オリ山脈の高台に位置するオマロス村(、標高1250m)付近からスタートしアギア・ルメーリ村までの全長16kmであり、そのうち国立公園内は13kmである。この全長は一説では18㎞とするものもある。トレッキングコース中で最も有名なものは、コース終盤に位置する『鉄門』(Iron Gates)と呼ばれる場所で、高さ300mの崖に両側を挟まれた幅4mの谷底を歩く部分である。峡谷に住む珍しい野生のヤギの一種『クリ・クリ』()等を守るため、1962年にサマリア峡谷は国立公園に指定された。かつてこの峡谷には人が住んでおり、サマリア村やニコラス聖堂などは国立公園指定時に無人化され、住人はアギア・ルメーリ村や他所に強制移住させられた。…